雑記

元品質管理が教える食品工場で起こったクレームに対する調査報告書の書き方

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食品工場で品質管理の仕事をしていると一般のお客様からクレームを受けることが度々あると思うが、今回はお客様に報告するための調査報告書の書き方を例文を使って解説したいと思う。

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クレームに対する調査報告書の例文

ケース:自社商品に異物が入っていたとのお申し出を一般のお客様から受けた場合を想定

スマホ画面だと例文がズレるのでPCでの閲覧推奨

                                 2022年X月X日

~~様

                               〇〇〇〇株式会社 

                  調査報告書

拝啓 平素は弊社製品をご利用いただき誠にありがとうございます。この度は弊社の「XXXXX」に異物の混入がありましたことで~~様に大変ご不快、ご迷惑をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。今回の件につきまして、調査しました結果をご報告申し上げます。

【お申し出内容】

2022年〇月×日、~~様が弊社の製造する「XXXXX」を夕食にて食された際、口の中に違和感を感じ吐き出されたところ、プラスチックのような異物が混入していた。

商品名:XXXXX

製造日:2022年〇月×日

賞味期限:2023年〇月×日

ロット番号:@@@@@@

【調査結果】

~~様よりご返却いただきました異物を確認しました。目視確認しましたところ、当該異物は青色をした樹脂片で、大きさは約3.5×2.2mm、やや硬い触感をしており、何かが欠けたような形状をしておりました。工場内に当該異物と一致するものがないか調べたところ、〇〇工程で使用している調理器具と当該異物の色が酷似しておりました。調理器具を全て調べたところ、当該異物と一致する破損が見つかりました。………

【再発防止対策】

当該調理器具を新しいものに交換しました。また、万が一破損しても後の工程で排除できるように樹脂製から金属製のものを採用しました。(実施日:2022年X月〇日)

この度は弊社製品におきまして~~様には多大なご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございませんでした。改めて心よりお詫び申し上げます。今後はこのようなことがないよう細心の注意を払う所存でございます。今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

解説

以下に調査報告書の解説をする。

日付

日付は提出日を記載するようにする。

宛先

お客様の名前を出来る限りフルネームで記載する。個人の場合は~~様、企業や店舗の場合は~~御中を使用する。

差出人

差出人名には自社の名前を記載する。部署や担当者名まで書く場合もある。社外に提出する書類なので社印を押すこと。

表題

調査報告書が無難。クレーム報告書とはしないこと。理由はお客様によってはクレームという言葉に過剰反応をされる方もいるため、「クレーム」という言葉は「お申し出」などの言葉に置き換えるとよい。表題に下にお詫びと調査結果を報告する旨を記載する。

お申し出内容

前述の理由により、クレーム内容としないこと。概略としてお客様からお聞きした事実を記載し、個別に「商品名」、「製造日」、「賞味期限」、「ロット番号」などの情報を記載する。

調査結果

実際の調査結果を正直に記載する。異物混入クレームの場合は返却いただいた異物の大きさや色、形などの詳細を記載する。異物の写真については大きさが分かるよう定規と一緒に撮ったものがよい。

工場内を調査した結果を示し、異物が何であったのか?、なぜ混入したのか?を記載する。一般のお客様にとって工場内部のことは分からないことが多いので、分かりやすく説明すること。また、専門用語もなるべく使用しない方がよい。

再発防止対策

表面上の対策にならないよう、二度と同じ事故が起こらない対策を実施する必要がある。実施日についても記載する。

締めの文

再度お詫び文を入れ、今後もお買い上げ、ご利用等をお願いする一文を入れる。

まとめ

万が一、クレームを起こしてしまったとしても重要なのはその後の対応だ。しっかりと調査をして原因を突き止めることが出来れば、同じ過ちを二度と繰り返さないよう対策を打つこともできる。その調査の過程と原因、そして再発防止対策を分かりやすく報告することが出来れば、お客様も納得してくれるだろう。今回解説した報告書の例文を参考にしていただければ幸いである。

以下、僕が品管時代に参考にしていた書籍食品工場に携わる方は是非参考にしていただきたい。

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