雑記

【品質管理】お詫びの品目的のクレーマーが取った信じられない行動【品質保証】

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

僕は食品工場で約10年間、品質管理・品質保証の仕事をしていた。この仕事をしていると様々なお客様の対応をすることになるのだが、その時に対応したイカれたお客様の話をしようと思う。

クレームが起こった時の品管管理や品質保証の行うべき対応方法を記載しているので、これから品管や品証を目指す人の一助になれば幸いだ。

今までにエンカウントしたクレーマーのお話はコチラから↓↓↓

クレーム対応

僕が勤めていた会社は規模がそれほど大きくない食品工場だったので、品質管理と品質保証の仕事を兼業して行っていた。品質保証の仕事と言うと客からの苦情の窓口となる部署だと思ってもらえれば分かりやすいと思う。働き始めた当初はこの電話が鳴るだけでストレスマックスになったものだが、慣れとは怖いもので数年経つとクレーマーからの電話でも余裕を持って対応できるようになるから不思議なものである。

ある日、冷凍の唐揚げを買った男性客から苦情の連絡があった。内容は「唐揚げを食べようとしたら黒色の異物のようなものが付着している」というもの。謝罪して当該品を返却してもらい、調査後改めて結果報告するという流れとなった。

返却品の確認

客から返却されたのは黒色の異物が付着しているという唐揚げ一個のみ。パッケージなどは捨ててしまったそうだ。

当該品を目視で確認すると確かに唐揚げの表面に2mm程の黒色の付着物が確認できた。そして、その正体も一瞬で理解できた。これは唐揚げを揚げた際にできたコゲだと。

当該商品は冷凍食品として販売しており、消費者が温めるだけで食べることができる設計となっていた。すなわち、コゲは製造工程に由来するものだと言える。

ただし、この程度のコゲであれば普通は連絡してこない。そして、このような客の対応を避けるためにもパッケージに多少のコゲの付着があること、身体への影響のないことが注意書きとして記載している。この時点で少し嫌な予感はしていた。

原因報告

とにかく原因がはっきりしたので客に連絡を入れ調査結果を報告した。異物と思われた付着物は製造工程由来のコゲであること、コゲを完全に除去することは不可能なこと、パッケージにも記載している通り身体への影響がないこと等を説明ところ、僕の不安とは裏腹にあっさりと納得してくれた。客には心配も掛けたし、当該品の返却にも協力いただいたので、お詫びの品として自社の商品を送って手打ちとなった。

お詫びの品を要求する様々な手口

この件が片付いて数週間経ったある日、会社に僕宛ての荷物が着払いで届いた。宛名を見ると件の客であった。中身を確認すると唐揚げ1個と手紙が同封されていた。手紙には「また、唐揚げに異物が付着していたので補償して下さい」と言うような内容が書かれており、唐揚げには1mmにも満たないコゲが付着していた。頭が痛くなった。

客に連絡し前回と同じ説明をした。そして、今回の件についてお詫びの品は送らない旨を伝えたところ、突然のブチ切れ。「製造由来だからお前の会社が悪い。補償しろ。お詫びの品を送れ」とのこと。何度も説明をするが脳みそが足りないのか理解できない様子のクレーマー。日本語が通じない猿にこれ以上理解を求める方が酷だと判断し、最後はこちらから電話を切って終了。しかし、まだ終わりではなかった……。

数週間後、また着払いで荷物が届いた。宛名を見ると知らない女性の名前だったが住所に見覚えがあった。例のクレーマーと同じアパート名で部屋番号だけ違った。やっぱり唐揚げ1個と手紙が同封されていた。手紙を見てみると「唐揚げに異物が付着していたので代替品を送ってください」とのこと。例のクレーマーの字と酷似していたのがとても印象的だった。異物と主張されているものはもちろんコゲであった。そして今回は連絡しようにも電話番号が記載されていなかった。仕方ないので原因報告の手紙を送った。お詫びの品は送らなかった。

数日後、またまた着払いの荷物が届いた。中身は唐揚げと手紙で内容は全く同じ。違うのは名前と部屋番号だけであった。これもお詫びの品は送らずに原因報告の手紙のみを送ることにした。

それから数日おきに唐揚げ1個と同じ内容の手紙が着払いで届いた。しかも全て名前と部屋番号が異なっていた(住所、建物名までは同じ)。その都度、原因報告の手紙のみを送っていたが、そろそろこの案件に時間を割くのが馬鹿らしくなってきたので、本格的に調べて対応することにした。

クレーマーの撃退方法

一番初めにクレームを入れた人物を仮にAとしよう。おそらくAが偽名と架空の部屋番号を使って嫌がらせ(お詫びの品が欲しい?)をしているのだと思った。

僕が初めにしたことは全ての名前をグーグルで検索したことだった。何かヒントがあればと思いながらもたいして期待はしていなかったが、Aを除く全ての名前に共通点があった。それは全てアニメに共通するということw ある女性は声優の名前だったし、ある男性はアニメ監督の名前であった。Aってただのアニヲタやんw

そして、気になっていたのが部屋番号だった。普通のマンションやアパートだと201とか505とか、間に0が入るのが一般的だと思うんだけど、偽名で送られてきた部屋番号はどれも211や515など、間に0は一切入ってなかった。住所についてもグーグルマップで調べたところ、2階建て全4戸のアパートだった。普通に考えて211や515などの部屋番号があるとは思えない。

そこで、その住所の最寄りの郵便局に電話をして尋ねることにした。「当該住所の存在しないと思われる部屋番号に手紙を出したのですが、返却されずに受け取られてるみたいなんですけど、そちらの郵便局ではどこに配達されたのでしょうか?」そもそも存在しない部屋番号に自分から手紙を出したうえで、こんな質問をするなんて全くもって意味不明で嫌な利用者だが、郵便局員さんは嫌な顔一つせずに答えてくれた。電話なので顔は見えていないが…。

「そのアパートなら部屋が4つしかないので1部屋づつ聞いて回ったら、Aさんが自分宛ての手紙だと受け取られました」とのこと。これでほぼAの自作自演ということが確定した。この辺りでAのボロが出始めて楽しくなってきた記憶がある。

そしてA宛てに内容証明郵便を送ることにした。内容証明って別に法的効力なんてないんだけど、Aにこちらの言い分を電話ではなく文字として記録に残したいためこの手段を選んだ。決してAをビビらそうなんて考えは持っていない…。多分…w

内容としては「自作自演バレてますよ。これ以上やるとこちらも法的措置をとりますよ」みたいなことを書いたと思う。余談だが郵便証明って1行に書ける文字数が決まっていたり、1枚に書ける行数が決まっていたり、作るのかなり面倒なのな。

内容証明が届いてからはA、及びアニメ関係の偽名の方々から一切クレームが来ることはなくなりました。内容証明の効力すげぇ!! そら詐欺とかにも積極的に使われるわ。

おしまいっ。

以下、僕が品管時代に参考にしていた書籍。食品工場に携わる方は是非参考にしていただきたい。

食品工場での品質管理関連の記事はコチラから↓↓↓

-雑記
-, , ,